
交通広告における「視認率が高いクリエイティブ」の条件とは?
交通広告において高い視認率を実現するには、どのようなクリエイティブが効果的なのでしょうか?
本記事では、ANAグループが提供する「空港間デジタルサイネージネットワーク Airport Dynamic Ad Vision(以下、ADAV)」の実測データをもとに、
交通広告において視認率の高いクリエイティブに共通する要素と、視認率の低いクリエイティブの改善ポイントを解説します。
求められる交通広告効果の可視化
デジタル広告を中心に広告効果の可視化が当たり前になった現代において、多くの広告主から交通広告効果の可視化が求められています。
交通広告の効果可視化の歴史は意外と古く、2013年 交通広告の共通指標策定を目的に、「㈳日本鉄道広告協会」「㈳日本広告業協会」「関東交通広告協議会」の3団体は、『交通広告共通指標推進プロジェクト』を立ち上げ、交通広告効果の共通指標整備したところからスタートします。
交通広告は、多くの情報に囲まれている通行人の目に留まり、印象に残し、態度変容を促すかが期待効果ですが、2020年に生まれたADAVは、AI(画像認識)を用いて定量的に視認者を割り出せることが強みとしてサービス拡大してきました。 ADAVによる数年間の実測結果からは、視認率が高いクリエイティブと低いクリエイティブには明確な差が見えてきました。
視認率の高いクリエイティブ事例
ここで、2つの事例をご紹介したいと思います。
事例① 情報量の多いクリエイティブ vs シンプルなクリエイティブ

※画像はイメージです。
まず、【A】情報量の多いクリエイティブと、【B】シンプルなクリエイティブでは、どちらの方が視認率が高いでしょうか?
正解は、【B】シンプルなクリエイティブです。
【A】 情報量の多いクリエイティブ → 文字量が多く、何を伝えたいかが瞬時にわからない → 視認率低
【B】 シンプルなクリエイティブ → 1メッセージ+画像も1つで内容が明確 → 視認率高
ADAVの視認データでは、Bのような「一目で伝わる」クリエイティブが視認率・視認時間ともに高い傾向にあります。
事例② あなたに問いかけるクリエイティブ vs 無機質な商品訴求のみのクリエイティブ

※画像はイメージです。
次に、【A】「〇〇にいるあなたへ」と語りかけるクリエイティブと、【B】無機質な商品訴求のみのクリエイティブ
では、どちらの方が視認率が高いでしょうか?
正解は、【A】「〇〇にいるあなたへ」と語りかけるクリエイティブです。
【A】 「〇〇にいるあなたへ」と語りかけるクリエイティブ → 視認者が自分事化するため、態度変容を促しやすい → 視認率高
【B】 無機質な商品訴求のみのクリエイティブ → 視認者が自分事化できず、態度変容に繋がらない → 視認率低
人は、「自分のことだ」と感じたときに、自然と目を止めます。
通行者に直接語りかける構成は、“自分事化”を促進し、視認率を向上させる傾向があります。
まとめ|交通広告の効果を最大化するには?
上記を踏まえ、クリエイティブ設計のチェックポイントをまとめました。
加えて、見ている通行者のUXを考慮する必要もあります。
ADAVの場合、空港の特性上、保安検査を終えた通行人は手にはスマートフォンと、キャリーケースを持ち、これから搭乗されるゲートを探している可能性が非常に高く、平均視認時間は3.2秒前後です。1枚あたり3秒で伝えられる情報量で無いと、クリエイティブからの離脱に繋がる傾向が高く、通行人の状況を考慮すると、カメラの起動が必要なQRコードを用いた誘導は効果的ではなく、広告表現できる面を減らす意味では機会損失に繋がる可能性が高いと考えられます。
これらのポイントを考慮し、クリエイティブ制作の参考にしていただければ幸いです。
今回の記事は以上です。今後も皆様のマーケティング活動にとってお役に立つ情報提供して参りますのでご期待ください。